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肉体と火山のyuiのネタバレレビュー・内容・結末

肉体と火山(2015年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

過去に母親と好きな男の子を失くした少女の話。彼女は心臓の問題を抱えているが、心身ともに弱りながらも、なじめない学校に通い父親と共に生活していた。
体育のバスケにも参加できない彼女の心臓の脆さは、彼女の孤独に拍車を掛ける。
今はそばにいない愛しい男の子の記憶が美しい幻想のように鮮やかにフラッシュバックする日々。

精肉店で売っている心臓は幾つだって手に入るけれど、どれも彼女の心臓の代わりになんかならない。
心臓が止まれば命は止まる。そんな特別なもののはずなのに、両手の袋いっぱいに買った心臓はただの肉だった。

彼女に火山の絵を描いてと頼んだ体育教師。
何故火山だったのか?
それは内なる感情の爆発を表現して欲しかったからだろう。
彼は一見分かりづらい彼女の心を理解しようとしていたのだ。

そうして、完成した絵。手元には沢山の心臓。
その時、火山のように肉体から吹き出た感情は止まることを知らず、彼女をどこまでも突き動かし走らせるのだった。
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