回想シーンでご飯3杯いける

生と死と、その間にあるものの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

3.3
「バーフバリ」のようなエンタメ作品と対極の位置にありながら、この5年ぐらいの間に確実に根付き始めている社会派のインド映画。例えば「めぐり逢わせのお弁当」や「ピザ!」辺りがその代表格だろう。

本作は、売春の現行犯で逮捕された女性のその後や、火葬場で働く人々の生活、彼らに対する差別、警察の汚職等、インドの社会問題をドライな映像で映し出していく。この火葬場というのが、日本の火葬場のように釜に蓋が無いので、人間が丸焼きになる様子がほぼ丸見えになっている。ヒンドゥー教に根ざした何か、またはインドの人口の多さ等の理由があった上での手法なのだろうが、映像的にかなりインパクトがある。

そのすぐ横に流れるのが巨大なガンジス川だ。豊かな水量や周辺の街並みは美しく見応えがあるのだが、水質は決して良くない。邦題が指し示す"もの"は正にこの川であり、それはインド社会の淀みを象徴しているようでもある。