いめーじ

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリーのいめーじのネタバレレビュー・内容・結末

4.7

このレビューはネタバレを含みます

眠気がある時に観ると確実に落ちるけど、めちゃくちゃ好みの作品だった。
ゴースト同士のコミュニケーションがちょっとかわいいけど切ない。呆気ない成仏にジーンとくる。
トボトボ歩いたりボーッとしてる間に時間は一瞬で経過し、1番大切だった人も記憶もあっという間に遠い過去。相対的に、遅く流れる時間の尊さが際立つ。
何かしらの執着からポルターガイストを起こしたり悪霊のように振舞ってしまうのは哀しい。事故死の原因もこじつければ曖昧に引越しを引き伸ばしてたせいではあって、拘りや想い続けることをポジティブに描いているようには捉えにくい。なんとなくだが、Cが家を離れたがらなかったのは冒頭で虹のような何かを見た瞬間が忘れられなかったんじゃないかな。
Mは何度も引っ越していてCが死んでも家には執着せず変わり続けていく人間だったことが対比的。個人的には一途な話が好きだけどね。
過去に遡って心残りを解消する展開は劇的ながら、紙の内容だけでなくゴーストの感情も隠すラストが物語としても映画としても本当に美しくて良かった。
でも紙切れを取り出した頃には、隣人のゴーストのように生前のことなど何も覚えていないのかもしれないし、最初から記憶ではなく本能で動いているような存在だったのかも。
いつかみんな死ぬし地球は終わるから過去も未来も創作も無意味なんだとドライな受け取り方もできて、ネガティブだけどポジティブに解釈することもできるな。