Tai

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリーのTaiのレビュー・感想・評価

4.0
何だコレ芸術点が異常に高い!
誰もが未体験の死後の世界を不思議な切り口で魅せられました。

とある幽霊の物語。

最愛の妻を残し、突然の交通事故で死んでしまう夫C。
シーツをかけられた遺体を妻Mが確認し去ると何とCが起き上がります!
もちろん生き返ったわけではなく、既視感がスゴい、シーツを被った幽霊として彷徨い歩きます。
もう子供の頃大好きだったレゴのお城シリーズにいたゴーストにしか見えない!(笑
そんな幽霊が自分亡き後の世界で、認識されない存在として一体何をするというのか…

何にしても台詞が少ない‼︎
しかも激しく動く画もほとんど無い‼︎
正直、序盤はかなり眠くなってしまいました(申し訳ありません!)
しかし、ウトウトしてからの覚醒して「ヤバい!見逃したカットが……カットが変わっていない‼︎!」なんてことがありました。
驚愕の動かない画プラス長回し!

だが、しかし‼︎

夜の回で鑑賞したとはいえ、眠くなっておいていうのもなんですが、あそこは言葉を語らずにコレほど人の心を語ることが出来るのかというシーンでした。
ニュース番組だったら始末書モノの長い長い沈黙ですが、だからこそ人物の気持ちを考えさせられますね。
こんな形で良質な映画を作ることが出来るのかと驚愕です。
序盤の眠気は何処へやら、途中からはもうすっかり引き込まれていました。

そもそも幽霊ってなんだろう?
物質である身体から離れた行き場の無い反物質、またはエネルギーが幽霊と呼ばれる存在であるとしたなら、思考や理性といった概念で観るのではなく〝感じとる〟というこの作品の造り方は、この上ない程の秀逸に思いました。
監督、実は死んだことあるんじゃないですか⁇(笑

とにかく寂しい死後の世界。
Cの旅の末路を考え観るもよし、自分の死後を想像しながら観るもよし。
誰にでもお勧めできるという作風ではありませんが、売れる脚本作り的なモノから逸脱した本作のようなものをたまに観て、何かを感じてみるのも一興ではないでしょうか。

レンタル始まったらもう1回、家でじっくり観ようと思います(・∀・)


そういえば我が家もミシミシカタカタという音がちょいちょい鳴っていますが……まさかね!
Tai

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