ちろる

ロミオとジュリエット 後篇のちろるのレビュー・感想・評価

3.7
2013年版新たなるロミオとジュリエットの悲劇に向かう後編。

この作品で唯一、キャピレット家をジュリエットのばあやについて、正直美しい熟女すぎてしっくりこなかったのですが、後半にぐいぐい彼女への好感度爆上がり。
彼女の過去などにもスポットを当てており、だからこそ彼女の葛藤や苦しみ、そしてジュリエットへの愛が、沁み入ってくるので、この映画で誰に泣かされたかといえば、あのばあやの涙になのかもしれません。

ロミオとジュリエットは基本的に古典ラブロマンスの悲劇としてズドーンと、この世で満たされなかった純粋な2人の魂への哀悼に浸るのが多かったのですが、こちらはラストに神父が説法するシーンがしっかりと丁寧に描かれているため、2人の悲劇にも大きな意味があったことをしっかりと知らしめてくれるから心が救われる。
自分に関わるものを失われない限り、何も行動に移そうとしない、そんな人間の愚かさを改めて知らしめる戯曲ロミオとジュリエット。
これまでの映画化されたものとはまた一味違う、(いい意味で)海外ドラマのような味わいで描かれているのが魅力でした。
ちろる

ちろる