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花と蛇 飼育篇のimaponのレビュー・感想・評価

花と蛇 飼育篇(1986年製作の映画)
4.0
比較的団鬼六正当派花と蛇。
肉体的にも精神的にも静子夫人を追い詰めて行く。
静子夫人が書道の師匠というのがポイント。前段で弟子の舵川まり子と達筆ぶりを見せるのが良い。勿論、吹き替えだが効果的。
筆は私にとって命。ふしだらな使い方させないでと懇願しながらも股間書道の特訓に励む。師弟で楷書の「性」「奴」
静子夫人が女中・千代に厳しく当たるがそれは立場上自然で同年同月同日産まれの千代の逆恨みである。勿論それで良い。
遠山社長から無下に契約を打ち切られた下請け社長が奸計を巡らせ静子夫人を拐かすわけだがその中小企業社長が犯し屋港雄一なんだからヤクザよりヤバい。
静子夫人の元彼の遠山お抱え弁護士、社長に女を取られた事を保身故に甘んじているが未練たらたら。元恋人でも身体の関係は無かったように思える。静子夫人が軽蔑すべき相手として共犯と思い込み嫌悪してるのも効果的。
裏ビデオのスターとして特訓調教される静子夫人。デビューさせる前の調教過程を撮れば良いのにと思ってたら撮ってたんだ。誰かがカメラを回してるシーンは完全省略。
先入観で小川美那子は静子夫人を演じるには気品が不足してるだろうと敬遠していたが、どうしてどうしてかなり良かった長襦袢。
調教から従順に至る過程は描けていないが御披露目で夫の遠山社長の狼狽を気にも止めずパフォーマンスに専念する姿はカッコよいほど凛がある。
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