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ストロングマン/ストロングマン 最低男の男気大決戦!!のtarakoのレビュー・感想・評価

3.3
これはコメディ?というかそもそもエンタメ作品なのか?
ギリシャの映画と言うことだけれども、どことなく日本っぽさを感じるのは、この映画の人物が罪ではなく恥の文化に生きている事と、基本的に音響をあまり使わずに風景を挟んだり、船上の静けさを強調していたからか。そう言えば、波の音も殆ど入ってなかった。
石に執着するな、それは流れるものなんだ。というヨルゴスの言葉もどこか侘びを感じる。

学歴や年収、その他ステータスなど自尊心を満たすための下らない競争というのは実社会ではごく真面目に行われていることで、それを揶揄しているような気もするが、それだと最後の宗教的な契りが何を意図しているのかわからなかった。
一番論理的なディミトリスがそれに参加したことに意味があるのかもしれない。
ディミトリスとヨルゴスの二人が何かメッセージを握ってると感じた。
海が背景と言うこともあって向かい合う二人が鏡のように映ってたシーンも印象的だった。
ディミトリスは純粋で、ヨルゴスは現状の自分に満足しているように思う。
あとの人物は何かしらの心理的問題を抱えているのに比べ、この二人は他人と自分を比較せずに自分の人生を楽しんでいる。あと今思い返すとこの二人だけ服の色が多様だったかもしれない。

競争社会に振り回されない生き方としてこの二人を提示していたのかな?
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