くもすけ

暴行のくもすけのネタバレレビュー・内容・結末

暴行(1963年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

脚本はMichael Kanin。妻は羅生門の舞台版脚色を共作したFay Kanin。彼女はキューカーの女性映画の脚本など書いていたが、リストに名前を挙げられて2年ほど映画の仕事にあぶれ舞台に戻っていた。59年共同脚本で羅生門を舞台化し成功。ちなみに翌年荒野の七人が映画化されるが当初の監督候補はリットだったようだ。このへんの縁が本作でつながるのか?

前年「ハッド」で野蛮な西部人を作って当たったリット・ニューマンコンビ。ニューマンは肌を焼いてメキシカンを演じている。「ハッド」もキャラクターを白人に変えて当時許容可能なモラルの閾値を探っていた。

撮影監督ハウと引き続き組んでいる。冒頭から真っ暗な画面に頼りない駅を据えて、寄る辺ない男3人が喋り通して夜を明かす。3つくらいのロケで何度も事件を演じなおし、長台詞が舞台調で少しだれるがよく出来ている。
音楽は控えめに3つくらいのモチーフがあるだけ。サボテンの渓谷でマラカスが聞こえる。オリジナルはどんなだっけ

シャーマンに死んだ夫を憑依させて「コロセ!」などと自白させるのがおかしいが、他の証言時同様画面では三人が自由に動き喋っていて、自白の証拠としても他と遜色ない扱い。

結局婦人の回想で階級を取り上げたり、四人目が喜劇的な決闘の結末で煙に巻くのも、詐欺師ロビンソンにかかればどっちもどっち。雨が上がって思わぬ拾いものと汽車の到着するのを潮時に、牧師は格好の説教ネタを胸に穏やかな顔で町に帰っていく