ろく

温泉おさな芸者のろくのレビュー・感想・評価

温泉おさな芸者(1973年製作の映画)
3.0
新年早々これが最初のレビューかと思うと人間の格が思いしらるるよ……

というけどこの作品、ほかの温泉芸者シリーズに比べると明らかにエロ控えめ。エロを期待しているダメな方(俺だよ、俺!)、この映画はほとんどそのシーンないですよ。そこ、温泉芸者シリーズなのにエロがないなんてクリープの入ってないコーヒーだなんて言わないの(喩が昭和)。

そのかわりと言ってはなんだけど昭和女子の思いっきりな青春(こっちが赤面してしまうような)をフィーチャーしており正直そっちの映画としては楽しめるだろう。「冗談はよしこさん」「がっくし」「おぬしもそう思うか」などと今では誰も言わないセリフも聞き取れるのもこの作品ならでは(橋本治の「もも尻娘」ラインか)。さらにはあのねのねの「赤とんぼ」の歌も替え歌まで。「アンネになったら~」とああ、生理のことねと地口オチのレベルでの理解が楽しめる。

ストーリーは女子高生二人(田辺節子と沢リミ子)がヒッチハイクで伊豆に行き、地元の女子高生深田ミミとともに三人組で芸者に挑むというもの。逆立ちしてパンツが見えたり野球拳をしてセミヌードになったりと最低限のお色気はあり。「パンツの穴」レベルなので中学生のみなさんも安心して楽しめますよ。

イケメン枠は南廣。どう見ても汚いおっさんだけど最後は怒涛のドラム。もともとミュージシャンだからそこは上手。おおおおって感じにはなります。でもそれだけのイケメン枠だけどね。

最後はなごやかに、そしてさわやかに終わる。うん、何も残らない映画だけど変に説教くさい映画よりよっぽど好き。
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