茜

血のお茶と紅い鎖の茜のレビュー・感想・評価

血のお茶と紅い鎖(2006年製作の映画)
3.7
ストップモーション&奇妙な世界観と言えばやっぱりヤン・シュヴァンクマイエルが第一に浮かぶんですが、この作者さんも絶対シュヴァンクマイエルのファンだと思う…。

完成までに何と13年もの月日を要したストップモーションムービー。
貴族のネズミや、くちばしの生えた茶色ネズミ、人面花などなど、不思議な生き物達が暮らす不思議な世界の不思議なお話。

台詞のない映画なので余計に物語の比喩を理解することが難しく感じたけど、その時々で生まれる考察というのもまた楽しいものだし、何よりストップモーションが大好きな自分は観ているだけでも十分楽しかった。
こんなにも凝った世界をハンドメイドで地道に細かく作り上げていると思うとそれだけで感動しちゃうな。

ゴシックやグロテスクなものが好きな人には特におすすめ。
勿論それ以外の人にも、この努力と熱意の結晶を是非観て欲しい。
貴重な珍しい作品に出会う機会をくれたアマプラに感謝。
茜