いずみたつや

さらば愛しきアウトローのいずみたつやのレビュー・感想・評価

さらば愛しきアウトロー(2018年製作の映画)
5.0
映画開始から6-70年代映画かと見紛う雰囲気に驚きました!

そこに登場するのはアメリカン・ニューシネマ界のヒーロー、ロバート・レッドフォードその人。この上なく粋でセクシーでクール!心奪うあの微笑み。

しかしながら、チャーミングな笑顔に刻まれたシワが時の流れを感じさせます。

舞台の設定がニューシネマが衰退していった80年代初頭というところも感慨深いです。

警察に追われ、時代にも追われ、人生の終着地へと誘われて行くような侘しさが漂う美しい逃走劇は、まさにニューシネマといった味わいで本当に目が潤みます。

老練な演技を見せるレッドフォードが、俳優引退を宣言して臨んだこの作品は「人生を楽しむこと」「それを妨げる全てのものに中指を突き立て続けること」を教えてくれる、痛快でほんのりと苦味のきいた傑作でした。