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さらば愛しきアウトローのkissenger800のレビュー・感想・評価

さらば愛しきアウトロー(2018年製作の映画)
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『夜が明けるまで』(2017)でも書いたけど「サンダンス・キッドの旅路の終点が近いとなると見届けねば」編。最後の最後に用意された彼のための花道が過不足ない情緒ある作品だったことを、俺たちは誰に感謝すればいいのか。
しかしケイシー・アフレックが役柄にぴったり収まった感じなのはトム・ウェイツがそうなのとはちょっと話が違うと思うのよね。
それこそロバート・レッドフォードが何か用意してやってくれないかねえ、みたいなホアキン同様、弟俳優たちの危うさよ……。

なお1981年設定でキンクス「ローラ」(1970)が挿入されていたんですが、"Give The People What They Want"出した1981年ってガンガン全米ツアーやってた「現役のバンド」だったんですよキンクス。
レイドバックの象徴にするのはちょっとな、浅薄の誹りを免れ得ないのでは。みたいな感想はある。だってね、よぼよぼしわしわのレッドフォードを描く一方で「若かった頃の輝き」を証明せねば、って躍起になるような変な焦燥が無いのがこの作品最大の美点で、それは「そんなことは見てる人全員が知ってる」という信頼が製作サイドにあるからですよ。

だったらなおさら「ローラ」じゃねえな。ぐらいがケチの付け所です。
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