ぱこぱこのぷー

わすれな草のぱこぱこのぷーのレビュー・感想・評価

わすれな草(2012年製作の映画)
4.9
認知症を発症するということはこういうこと。母親が母親でなくなる。それは認知症と診断されるまではいかなくても感じること。
人は歳をとると若返っていく。息子を夫と思ってしまう。世話してくれて、自分のやりたいようにさせてくれる人を頼る。

グレーテルは施設で幸せだったのかもしれないとふと思う。感情の起伏も穏やかになり、安らかそうに見えた。娘は施設に入れることは反対していたが、普段の世話をしていないのにそんなことが言えるのか、という正当っぽい意見が観るものの頭をよぎる。 果たしてそれが正当な論理なのか?

グレーテルは認知症を発症した時点でもう昔の精力的な彼女ではなくなっている。疲れてしまったのかな。彼女が彼女らしさを無くした時点で、彼女は亡くなっていたのかもしれない。 結果論でしかないけれど、彼女をもっと早くから好きなようにさせてあげてもよかったかもしれない。

この映画、またしばらく歳を重ねてから見直してみたい