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わすれな草のspicaのレビュー・感想・評価

わすれな草(2012年製作の映画)
4.0
いろいろなことを考えさせられた。
73歳とはまだ若い。夫はまだ71歳。
美人で活動家で、頭も良く行動力もあった女性が、認知症になり、別人のようになってしまう。
自分の認知症の母と重ねて見てしまうのでとても辛い。そしてまた自分も認知症にならないとはいえず、母も72、3歳くらいから少し違った感じになっていたので、まだまだ先のこととも思えない。
この父親に関して思うところはあるが、責めることもできない。彼にとっては精一杯だったろうし、介護が何年も続かず、また新たに生き直せるというのは良かったことだ。
となると母親は報われないような気もするが、病気というものは自分ではどうすることもできないので仕方がない。少なくとも私よりは(私と比べても仕方がないが)親孝行の息子を持てて良かった。
自分の両親を見ていて、「晩年」というものを考えずにはいられない。元気なままで死ぬというのはそれはそれで辛いものだが、衰えて衰えてなお生きるというのも大変そうだ。そして周囲も大変だ。長生きしているのはとても嬉しいことだし、本人たちもそう思っているしそれでいいのだが、どうすることもできないことが多すぎて、不甲斐ない。親不孝に甘んじているようで自分でどうかと思う。
幸せな晩年とはどういう晩年なんだろう。
幸せな90歳とはどういう生活なのだろう。
(完全に映画から離れてしまった…)
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