かつて人間核弾頭だった男を無駄遣い！
チャーリー・シーンの元嫁であり、元ボンドガールでもあるデニス・リチャーズ主演の航空サスペンス。
共演に、人間核弾頭も今は昔で寂しい不発弾ドルフ・ラングレン。
今回は悪役です。頭悪いです。
ドルフ・ラングレン自身は文武両道を体現したインテリマッチョなのに、どうしてこんな役しかこないのかな・・・
なにせ、奪った旅客機のコクピットで、難しい顔しながら操縦桿握っているだけの役なんで、正直誰でも良いじゃない。
完全に客寄せパンダ（汗）
最近のテロリストものには欠かせない女子テロリスト役はグリア・グラマー。
美人さんですが、前半のヅラが変で、顔よりそっちに目が向いてしまって困りましたよ。
主人公はFBIの女性ネゴシエーター。
犯人とエロ話をしつつ隙を作らせるという「出会い系作戦」を担当していたのですが、必要以上に犯人に感情移入してしまった為、ペーパーワークへと転属されられてしまいます。
その移動に使う旅客機に乗り込むと、隣の席の男が話しかけてきます。しかも、主人公がFBI所属と知ると、「5000万ドルで命を守ってくれ」と怪しい依頼をしてくるじゃありませんか。
事情が飲み込めないまま、搭乗してきた大男とCAに成りすましていた女によってハイジャックされてしまう旅客機。
なんとか難を逃れた主人公の反撃が始まるのですが・・・
てっきり、デニス・リチャーズがたった一人でテロリストを殲滅する、「エアフォースワン」や「パッセンジャー57」みたいな空のダイ・ハードを期待したのですが、確かにそういった要素がありつつも微妙に違う感じが拭えない映画でした。
「期待したものはコレじゃない」と、劇中のドルフ同様に終始難しい顔しての鑑賞になってしまいましたよ。
後半になって、敵の数が増えるとデニス無双が始まりはするのですが、アクションも緩いし、見せ方があまり上手くないので何がどうなっているのか分かりにくい。
デニス・リチャーズのオバちゃん化もあって、無理にラブロマンスも取り入れた内容自体に少し拒否反応が出てしまいました（汗）
ラストも非常にサムい。
とにかくヘンテコでポンコツな駄作。なぜにネトフリのマイリストからこれを選んだ？と自問自答したい気分でした。
いや、デニス・リチャーズがダイ・ハードしそうだったから気になったわけですけれど、まさかここまでしょうもないとは・・・。
だいたい、これハイジャックする必要が無いでしょ？
目的の男の行動を完全に把握していたんだから、どうしてリスキーなハイジャックなんて選ぶのか理解できません。
人知れず誘拐でも何でも他で出来たでしょうよ。
しかも、一度着陸（これもどこに着陸したのか皆目見当もつきませんが・・・）するのは作戦として理解できたのですが、何故また離陸するのか良く分からなかったし、主人公の考えで、ものすごい速さで離陸態勢に入っている旅客機から乗客を降ろしてゆくのも、あまりにも無茶しすぎ。
地面も荒れてるし（因みに、ボコボコしているので旅客機が揺れるのですが、それにエクスタシーを感じるテロリスト女子は、ただの変態でした）、あれじゃ絶対に何人か死んだり大怪我しているでしょ（汗）
主人公が無謀で無責任すぎる！
あとね、本作にはこういったハイジャックものに欠かせない要素が欠落しているんですよね。
だから余計に面白くない。
それは何かというと、巻き込まれた乗客にドラマが無いんです。
1人や2人ぐらいは話に絡んだくれたほうが面白くなるのに、航空保安官以外は全然絡まない。
たんなるモブばかり。
主人公の席を奪ったデブがよもやの活躍をするとか、そういうのがあれば壊滅的につまらない本作を少しは救えたかもしれないのに何もありませんでしたね。
それと、舞台となるのが旅客機だけで、外の世界がハイジャックと無縁なのもダメ。
やっぱり、管制塔や警察が事件を把握しつつ、渦中の者に委ねるしかないというスタイルをとって欲しい。
結局、最後までハイジャックがあったことを外では誰も知らないまんまでしたから、サスペンスが生まれにくいと感じました。
他にも敵がやたらとバカだったり、CGが丸わかりでショボかったりと問題は山積みですけれど、ドラマとしてつまらないのが最大の欠点。
たとえ低予算だったとしても、もっと面白いハイジャックものはあります。
「デンジャーゾーン/タービュランス3」とか、これの10倍は面白いですよ。
ハイジャック性もゲーム性もへったくれも無い、限りなくゴミに近い映画ではありましたが、冒頭の「出会い系作戦」だけはツカミとして良かったと思います。
でも、あんな簡単に犯人に接近できるなら、どうにでも出来たような気がするんですけれどね。
アメリカは何でも射殺で済ませようとするから怖い国ですな・・・
NETFLIXにて
