豆onpeets

羅生門の豆onpeetsのレビュー・感想・評価

羅生門(1950年製作の映画)
5.0
全、少年少女の心を闇堕ちさせた名作。


芥川龍之介、羅生門 👵👵👵


現代文かな??
確か授業で習いましたねっ✨


森鴎外の高瀬舟と同じ位に
学校の授業で興味深かった作品。

両方に共通するのが
【人間的な事は罪なのか】


今でも分かりません、、。


そして、この「羅生門」も覚えてる方は想像できると思うのですが、知らない方の為に。。!


‼︎ざっくり小説羅生門‼︎

【老婆がカツラを作るために死体から髪の毛を集めている。その姿を下人が見てドン引く。

しかし、下人も最終的に自分を正当化し、
老婆の着物を剥ぎ取り闇に消える。】


、、と言うのが、ざっくりストーリーです。



テーマとしては、

【善と悪とは主観でいくらでも変えられる。】

、、、と言った所でしょうか❓



この映画では、小説と登場人物が異なります。

盗賊 多襄丸
女   真砂
真砂の夫 金沢

この三人の証言でストーリーが進みます。


「証言」と言うのも

冒頭では、
男Aと坊主が雨宿りしている所に
もう1人の男Bが雨宿りにやって来る所から物語が始まります。

坊主は、「奇妙な話を聞いた。
人の心と言うものが信じられなくなった。
恐ろしい話」と語ります。


坊主と男Aは「金沢」の死体を見つけた事で
参考人として取り調べに参加していました。


そこで3人が証言します。
まずは、多襄丸の証言で始まります。
その次に真砂。
最後に降霊で金沢の証言。

綺麗に三人の話は食い違います。

誰が嘘をついているのか、、、。


そして、坊主と一緒にいた男Aは
証言の場では無い門の所で「実は自分は現場を目撃していた」と言います。

男Bは「何故、最初に言わなかった?」と尋ね、男Aは「巻き込まれたくなかった」と返答します。


その男が語る3人は、
本当に、救い様の無い3人でした。

証言では【理想の自分を語っていただけ】
だったのです。

最後のシーンは3人共、滑稽でさえありました。



そんな3人の証言を聞いた和尚は人間不信に陥ります。


そんな時に門の裏から赤子の鳴き声が聞こえます。

男Bはなんと、颯爽と捨てられている赤子の着物を剥ぎ取ります。

それを見た男Aは
「赤子から着物を盗むだなんて❗️鬼か!」
と食い掛かります、、


、、が。男Bは
妻の小刀を事件のどさくさに紛れて男Aが盗んでいた事を言い当てました。


その話に男Aは動揺を隠しきれ無い様子で
その姿に和尚は誰も信じられなくなります。


2人は動揺したまま動けず、男Bを逃してしまいます。
赤子から着物を盗んだ男Bは笑いながら雨の中に消えます。


放心状態の2人、、、

そんな時に男Aは和尚の赤子に手を伸ばします。

和尚は、
「この子の肌着も取っていくつもりか❗️」
と激怒しますが。

男Aは
「わしは、わしの心がわからねぇ、、。、、、。
わしには、6人の子供がいる、、、。
6人育てるも7人育てるも変わらねぇ、、、。」

と、その言葉を聞いて和尚は安堵し、赤子を男に渡します。


最後、赤子を抱いた男Aは少し微笑んでいる様に見えました。

それは、どう言う笑顔だったのだろうか、、、。


人の心は分からない。


そこで終劇でした。


小説と同じ様に、
【善と悪とは、その人の道徳心に過ぎない。】
と言う事でした。

何が良くて、何が悪いのか。


この世は自分の事しか考えない人間で溢れている。
人間はいつ人間を信じられるのでしょうか。

永遠の謎ですね。



豆的には災害の時の募金が羅生門だなと思いました。

募金と偽って自分の私利私欲を肥していた人もいらっしゃったので、、、。(小声)

豆は和尚の気持ちがわかりみが深すぎて
「和尚、、。語り合おうぜ、、」ってなりそうでした。


酒がダメなら、清水でも良いよ。
(肩を叩きながら)

人の善意とは脆いものですよ、、、。和尚。
どの位の人間が自分を律する事が出来るのでしょうね、、、。🧑🏼‍🦲


人間の欲には、神も仏も効きゃーせんわ。😇



🌧感想🌧🌧
2人の男の戦いは野性味溢れすぎてどっちが斬られるのかがハラハラした。

その後のへっぴりの斬り合いも色々とハラハラした。

どちらも演じ切る役者さん達が凄い。。。

そして、何より黒澤監督作品だからなのか、妙にリアルで人間味あって泥臭い感じが本当に凄いなぁ〜と。

人間の本来の姿を現実以上に現実的に見せるスタイルはやはり芸術の域です🧎🏻

痛々しく、生々しい。
そんな姿が何より滑稽。

人間はこう言う自分を隠して生きているのでしょうね。


人間不信になりたい方は是非とも
映画版の羅生門も小説版の羅生門も
ご覧あれ‼︎
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