たにたに

羅生門のたにたにのレビュー・感想・評価

羅生門(1950年製作の映画)
4.1
【短刀】2022年145本目

ヴェネチア国際映画祭、金獅子賞。
アカデミー賞、名誉賞(国際長編映画賞)。

雨降りしきる羅生門で、人の心を信じられなくなる怖い話をしている。

ある1人の侍の死は、いったいどのような経緯を辿ったのか。

犯行現場にいた3人の男と、1人の女の証言はそれぞれ食い違い、まったくそのわからない話が頭を悩ませるのである。

何がわからないって、全員が自分のプライドを死守すべく有利な発言をしているように聞こえるからである。

「人間というのは、都合の良いことは忘れてしまう。都合の良い嘘を本当だと思ってしまう。」作中で下人が述べる。

自分が正しいと思うことに、他人から反論が来たときに、より自分の正義に盲信してしまう。
このようなことにも似ている気がします。

人間の心は都合の良いように作られているのはその通りかなと思います。
それでもなお、人間を信じたい。
その心情には賛同したい。
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