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羅生門のプレコップのレビュー・感想・評価

羅生門(1950年製作の映画)
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黒澤明がアカデミー名誉賞を受けた世界的名作。

木こりと旅法師は羅生門でもがき続ける。ある事件への4通りの証言は自己保身や他人を蹴落とす材料にしかなっていない。そんなことだらけの世界でなにを信じればいい??

この話を聞いていた下人はこれを笑い飛ばす。そして、とある罪を犯して去って行く。
白眉は下人が去る際には土砂降りだった天気が、木こりが決心と共に去る際には雨が止み、晴れになっている場面。心情の比喩表現として天気を使うのは物語を作る上で初歩中の初歩といえるが、そのシンプルさが普遍的な力となって観るものの胸を打つ。

役者陣は凄まじく、志村喬や三船敏郎といった黒澤常連組は当然の名演だが、京マチ子が特に光っていると感じた。
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