ラマヌジャン

羅生門のラマヌジャンのレビュー・感想・評価

羅生門(1950年製作の映画)
3.6
難しいな~。黒澤監督のエンタメというよりはメッセージにこだわった一作。
原作が「羅生門」じゃないことが一番キレたいところ。

プロットの内容は知っていたし、今となっても「羅生門スタイル」と称される作品もたくさんあるくらい有名だけど、少しだけスピリチュアル要素があるのに驚き。ああいうのってスゲー真面目に硬くやりそうな気がしてたけど、そういうのをあの時代にやっていたのに一番驚いた。
ただそれ以外はよく分からん。自分には早すぎたし文学的すぎた。
あの奥さんマジ怖いな。声質、画質も相まってすごいパワー。

ベネチアでグランプリ獲ったのは凄いしいいんだけど、とある監督も言っていたように、人間のエゴだったり社会性を盛り込んだ作品が幸運にも素晴らしい脚本家と監督によって作られ、それが海外に評価されたから、エンタメ性に欠ける社会派映画が邦画には多くなってしまったのだろうか…。傑作だが元凶でもある歴史的遺産作品。