すたんぐ

ドント・ノック・トワイスのすたんぐのレビュー・感想・評価

ドント・ノック・トワイス(2016年製作の映画)
4.5
問題を抱えた家族が悪魔や悪霊に狙われるのはよくある話ですが、本作は過去に娘を手放してしまった母が、娘を取り戻そうとするお話で、施設にいる娘が古代の悪魔に狙われてしまい、怖くなって母の元に戻ってくるのですが、悪魔に幻覚を見せられてパニックに陥り、埋まりそうだった母と娘の溝が埋まらない。それでも、娘に歩み寄ろうとする母と娘が織り成すドラマが結構自分は気に入りました。ホラー映画において、頼れる存在がいないと不安な気持ちになりますが、この作品の母は何度か娘に苛立ちを覚えるも、娘を見捨てたりはしない、強い意志が感じられて素敵でした。一方、古代の悪魔の方も黙ってません。娘に幻覚を見せたり、母の大事なアトリエを破壊したりして二人の仲を引き裂こうとします。ここで意志が揺らいでしまうか、娘を信じるかが見どころだと思います。
肝心のショックシーンもよく出来ていて、夜中に家の中に怖いお婆さんが立っていたり、クローゼットから悪魔が這い出てきたり、楽しめました。
『ライト/オフ』に近い印象はありましたが、それでもよかったです。(どっちが先なのかわからん。)
あとはその、ドアをノックしてから悪魔がやってくるので、家中のドアを外して庭で燃やすところが面白かったです。(アジャの『ミラーズ』だと家中の鏡を外して、外に出せない鏡はペンキで塗りつぶすシーンがあるのですが、こういう大胆な反撃は好きです。)
ラストに「実は・・」というサプライズもあって、個人的にとても楽しめました。詰め込み過ぎ感はありましたけどね。
余談
フォロワーのpinheadさんのレビューを読んで知りましたが、この悪魔を演じているのは、ハビエル・ボテットという方で、『REC』の終盤に登場するガリガリ女ゾンビも彼が演じていたらしく、現在この手のホラー映画に「ひっぱりだこ」のご様子。CGかと思ってましたよ。いやーすごい。
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