律

静かなる情熱 エミリ・ディキンスンの律のネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

魂、宗教、死、家族、賛美歌、差別

詩は救いようのない者への神の唯一の救い

魂を屈折させることなく生きるべきか、魂をねじ曲げてでも、この、どうにも生きづらい世の中にアジャストして、少しでも生きやすくするべきか。
この葛藤はきっと現代でも確かにあって、大半の人が自分のいわゆる「本音」と呼ばれるものには蓋をして、魂をまげてまげて、自分を騙して欺いて、何とか生きてるんだろうな。
知らぬ間に、自分の魂と取り繕った気持ちとの間に誤差が生じていて、離反していった結果、訳もなく涙が止まらなくなってしまう。
彼女はそれを拒んだからこそ、自分の部屋を拠点にしたし、自分と他者との間にある壁を大切にした。

生きづらいよね、ほんと。
律