斬新な設定で、面白かったです。
主人公は2人の男女。
ある日TVの画面越しに視線が合う。その相手は、いつも観ているTVドラマの主人公で···
初対面なのに自分のプライベートなことを知ってる？！ だってずっとドラマで観てきたから···なんて言われたら誰でも混乱する。どっちも自分の方こそが現実で、相手はTVドラマの中の人物だと思っているのだ。
ようやく状況を受け入れていくが、２人が会えるのはTVの画面越しのみで、実際に同時刻、同じ場所に行ってもお互いを認識することはできない。２人の世界線は違うということか。
現実と虚構がちょくちょく入れ替わる中盤が、少しだれてしまって一度寝落ち。
ラスト30分はハラハラ展開で、ぐっと引き込まれました。
枠、悪魔、バイオリン··· メタファーが多用されているけれど、それぞれどんな意味を持たされているのか。自分なりに考えを巡らせるのが好きな人には合いそうです。
個人的には村上春樹の短編の読後感に、ちょっと似てるなぁと思いました。
