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かけはし
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『かけはし』に投稿された感想・評価

2001年1月26日、JR新大久保駅で線路に転落した男性を助けようとしたカメラマンの関根史郎さんと韓国人留学生のイ・スヒョン(李秀賢)さんが、その男性と共に亡くなられた。
この事故から16年の歳月が経ったが、その間に韓流ブームがあったり、一転して竹島問題や慰安婦問題を契機に反韓や反日、ヘイトスピーチ、慰安婦少女像設置と互いの国民感情を逆撫でするようなことがここ数年続いていて、両国間の溝が深まっていると思う。
このドキュメンタリー映画は、転落男性を救助しようとして亡くなられたイ・スヒョンさんを軸にして、この青年が生前言っていた「日韓のかけはしになりたい」とい遺志を継ごうとする人々の姿を2部構成で描いていく。
第1章「I am a Bridge!」では、イ・スヒョンさんの両親や彼が通っていた日本語学校の関係者のインタビューから彼の人となりやその短い生涯を浮き彫りにしていく。
第1章で心に残るのは、この青年の素晴らしさは、この両親にしてあったのだと思わせるその人柄。
この親御さんたちは、事故後に日本全国から寄せられた弔慰金を息子の遺志を継ぐため、アジアから日本に留学する若者たちの一助になる奨学会の設立に全てあてている。
そしてこの章では、親より先に亡くなってしまった愛する息子への思い、その喪失感を含めたものがスクリーンから痛いほど伝わってきて胸が詰まる。
第2章「足跡をたどって」では、日本への「かけはし」的役割を果たす、この奨学会が行った支援活動や国際交流によって出来た“道筋”を現在の視点で描いていく。
反韓、反日、ヘイトスピーチの嵐が吹き荒れた日韓国交正常化から50周年を迎えた2015年に、釜山から22名の大学生がイ・スヒョンさんのゆかりの地を訪れたり、日韓の交流の歴史が刻まれた奈良県を旅する中で日本の若者やその地の人々と交流した1週間がレポートされていく。
それは単に観光旅行レポートではなく、日韓のデリケートな問題を含めて若者たちが本音で語り合うところも描かれる。
この第2章を観ていると、日本に対して頑なだった若者が様々な人々との交流を通して変わっていくのに希望を感じる。
日本の文化に多大な影響を与えた“隣人”であったのに、様々な歴史的経緯で現在は“近くで遠い存在”になっている韓国。
本作は両国に横たわる深い溝に対して、国、民族、文化、風習の違いを超えて人と人は繋がれる、「かけはし」になれるという希望を映し出している。
odyss

odyssの感想・評価

3.0
【イ・スヒョンさんを覚えていますか?】

2001年1月、JR新大久保駅において、ホームから転落した乗客を助けようとして、カメラマン関根史郎さんと韓国人留学生李秀賢(イ・スヒョン)さんが線路に降りたが、接近してきた電車にはねられて3人とも死亡した。

この事故は、首都圏の鉄道ホームにホームドアが設けられるきっかけとなると同時に、韓国人留学生が日本人の命を救おうとして犠牲になったため、韓国に対する日本の親善ムードを高める役割を果たした。日本で韓国のテレビドラマ『冬のソナタ』が放送されて韓流ブームが起こるのがその2年後のこと。

イ・スヒョンさんを描いた映画としては、『あなたを忘れない』が日韓合作として作られ、日本では2007年に公開されたが、フィクションが入っており事実と異なるなどとして映画ファンからは評判が芳しくなかった。私自身は未見であるが。

私は当時、イ・スヒョンさんの高貴な行為を顕彰するには、変なフィクションを入れて映画化するのではなく、最初からドキュメンタリーとして作ったほうがいいと考えていた。

で、この映画『かけはし』だが、映画自体は2部構成である。

第1部はイさんの学んだ日暮里の日本語学校(イさんは韓国人が多く住む新大久保から、学校のある日暮里までJRで通っていた)の様子や、イさんの犠牲に対して多数のお見舞い金が寄せられたが、イさんのご両親はこの日本語学校に奨学金の財源として寄附し、実際に何人もの留学生に奨学金が与えられている事実などが紹介されている。2001年当時は、この学校の生徒はほぼ中国人と韓国人に占められていたが、現在では欧米やアジアの多数の国々から日本語を学ぼうと生徒が集まっているという。

またイさんのご両親は命日には毎年来日して新大久保駅で献花をしているほか、日韓親善の行事などに参加しているらしい。作中、「一粒の麦、もし死なずば」という聖書の文句が出てくるが、イさんの犠牲はその後の日韓親善にそれなりに貢献していることがよく分かる内容となっている。

惜しむらくは、イさん自身の生の軌跡がほとんど描かれていないこと。イさんの祖父は日本で徴用鉱夫としてつらい体験をしたこと、イさんの父も6歳まで大阪に住んでおり1944年に朝鮮半島に帰ったことが紹介されているが、肝心のイさんの成長や、なぜ日本に留学しようと思ったのかなど分からないのが残念。

第2部は日韓交流の紹介だが、この部分は少しく問題がある。

若い日本人と韓国人の交流の模様が映像化されているのだが、特に男女2人に多くの光が当てられている。このうち女子学生は、父が韓国人、母が日本人で、そのため日本語も流暢であり、母方の祖父母は日本に住んでいるので小さい時から日本にも親しみを持っているということで、特に問題があるわけではない。

しかし、男子学生は、表面的な親善と旨とする日韓交流に疑問を感じているという。
この疑問自体は、或る意味、当然だろう。彼は反日的な歴史教育を受けているわけだし、かの国のマスコミも反日一色だから、そういう中で育った若者が、やたらムード的な親善を看板にした交流事業に反発を感じるのは当たり前なのである。

問題はその先である。であるなら、いかにかの国の歴史教育やマスコミがおかしいか、いわゆる慰安婦問題(もこの男子学生は口にしている)は朝日新聞や韓国のでっち上げであることを教えて上げるのが筋だと思うけれど、そうはしていない。

中立を守ったということか。映画の中では早大生や明大生がこの韓国人男子学生と話をしているのだけれど、そういう突っ込んだ話題には行っていない。こういう行事に参加する学生は不勉強なのか、或いはそういうシーンはカットしたのか。

この韓国人学生は、日本の書店に行って日本の歴史教科書を買ってくるのであるが、うーん・・・それなら慰安婦問題はでっち上げだと書いた日本語の本を教えて上げるとか、別に日本人だけでなく、朴裕河のように韓国にだってちゃんとした歴史学者がいて韓国語でその手の本を出しているのだからそれを教えて上げるとか(というか、これは韓国人学生が自分で勉強して知るべきことだと思うけどね)・・・その程度のことはすべきだろうに。

というわけで、第2部はきわめて浅い出来でした。残念。
 
評価は、第1部をメインとして見ることを前提にして★3つとしました。
2001年1月26日 JR 新大久保駅で酔って線路に転落した人を助けようとカメラマンの関根史郎さんと韓国人留学生 イ・スヒョンさん。結果3人は帰らぬ人となったが、その後イ・スヒョンの勇気ある行動にインスパイアされた人達が作り上げたドキュメンタリー。第2部の韓国学生たちが日本の大学生との交流するシーンやホームステイするシーンに今現在の日韓のかけはしの答えがあるように思う。

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