ユカートマン

オン・ザ・ミルキー・ロードのユカートマンのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

クストリッツァはギャグのピタゴラススイッチだけど、お馴染みの悲喜劇かと思いきや悲劇要素が強かった。特に後半の逃亡劇のせいでシリアスで冗長に感じた。ライフイズミラクルみたいな、アナログでほっこりする映画を期待してたら大スペクタルでCG多用、本当にクストリッツァの映画か!?!?と疑わずにはいられなかった。


クストリッツァはボスニア人でありながらユーゴノスタルジストでセルビア在住なので、映画の中に戦争の被害者意識は全く込められてないように感じた。そもそも登場人物はセルビア人だし。<愛を貫く>という壮大なテーマの舞台をタフな戦場に設定しただけ。敵もはっきりと固有名詞で登場してないところがハーケンクロイツ一つと現れないダンケルクに似てる。変なところで悲しみや余計な(政治的な?)感情を煽られることなく、そこが見てて気持ちよかった。


最後地雷を埋める石が乳白色だったのが感動。ミルキー。死んだイタリア人女とロバがラストでちょろっと登場するのがアンダーグラウンドぽくてよかった。
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