とらキチ

スターリングラード大進撃 ヒトラーの蒼き野望のとらキチのレビュー・感想・評価

3.9
2019年から2020年にかけて、ミリタリーマニアだけでなく、一般の映画ファンからも支持を集めた傑作戦車映画「T-34 レジェンド・オブ・ウォー」。ヒットの要因には戦車戦の描写だけでなく、個性的な登場人物にもあったと思います。その中でも、私が一番好きなキャラクターだったのが装填手でキャベツ大好きなイオノフ。信心深く、戦後教会のフレスコ画家になったという設定でした。その後の共産体制の中で彼は無事に人生を全うできたのだろうか…とか色々考えてしまいます。
そんなイオノフを演じたユーリイ・ボリソフ主演の作品をフォローしている方がレビューされていたので「へぇー、そんなのあるんだ!」と思っていたら、まさかのCSでOAされていたので鑑賞しました。
ユーリイ・ボリソフ、髪の毛生えていてツルッと男前だったので、イオノフだとわからなかった💦で、なんかよくわからないんですけど、主人公は軍法会議で死刑とされてしまうのだが、なんかよくわからないけど本部へ移送されなければいけなくなって、その為の監視、護衛をする兵士との二人のロードムービー的な展開になる話しです。その護衛兵はモンゴロイド、もっと言えば朝青龍に似ていて、しかも無表情で何を考えているのかわからず、同じソ連の同志でありながらバディとしてのデコボコ感をうまく演出しています。監視する、される立場であるにもかかわらず、様々な出来事を経て二人の間に妙な友情が生まれてきます。そして後半、クライマックスの顛末には、胸がアツくなります。
というわけで副題の"ヒトラー"は特に出てこないし、大進撃もしません。
戦車も登場していて、ドイツのⅣ号戦車はハリボテ感が強くて、多分レプリカなんだろうと思いますがT-34、KV-2なんかは多分本物だろうと思います。
盛大な邦題サギでしたが、普通にプロットとしてはよく出来ている作品だと思いました。
とらキチ

とらキチ