kirito

彼女とTGVのkiritoのレビュー・感想・評価

彼女とTGV(2016年製作の映画)
3.6
【手紙】

今日の短編。

線路の隣の家に住むエリス。彼女には秘密の習慣がある。
それは時速300キロのTGVが通る際に必ず国旗を振るというものだった。
ある日庭の芝刈り機に手紙が挟まっていることに気付いて。。。

手紙というアナログから始まる淡く切ない恋物語。
主人公は70歳近くの女性であり、息子にもいまさら?と心配され老人ホームへの入居すら進められる始末。

パン屋もなんとなく続け、店の前に駐車をする青年に対して勝手にいらだつなど、生きる生きがいを失っていた彼女が自分のしていた習慣に心が動かされた人がいることを知り見も知らない人なのに恋をしていく。
恋い焦がれる描写が絵画のように映えるシーンが多く街並みや自然と相まって絵になる。
終盤の町の中を必死に自転車をこぐ疾走感のあるシーンがたまらなかった。

これは淡く切ない恋の物語であるが、恋とは偉大。生きる活力をくれる。

※エンドロールが出発の掲示板のやつで凝ってる。
 しかも実話。最後に本物の映像流れる。

2020.5.3
kirito

kirito