友二朗

SING/シング:ネクストステージの友二朗のレビュー・感想・評価

4.1
「この世界の彼方へ」

終わらない夢。
響き渡る人生賛歌。

観た後の突き抜けるような爽快感。
極めて幸せな110分間だった。

彼らの歌に勇気を貰い、生きる上で次の瞬間に望む希望が湧く。綺麗事を信じたくなる。信じても良いのだと気付かされる。自分のこれからに向けて後押しをされ、またこの作品に逃げに来ても良い。なんとも居心地の良い夢の世界がそこには広がっているのだ。

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たぶん人生で初めて進んで"吹き替え"を観に映画館へ行った。理由は一つ、自分の魂はB'zに構成されて来たからだ。稲葉浩志愛してる。特に「OCEAN」と「愛のバクダン」中学から永遠聴いてる。

ナナとの関係性が良好なまま継続している事が嬉しかったしナナの言う台詞がストレートに刺さる。

スーキーを自転車で追いかけるシーン、車の窓の汚れと質感のリアルさに何故か意識を奪われた。ムーンがトランクケースを引きづるシーンの物理法則なんかも自然で、このリアルさとフィクションのバランス、取捨選択が絶妙で面白い。

ムーンがスーキーに突き放されて落ち込みながらハウスに戻るシーンの曲、「Goodbye Yellow Brick Road」かな?自信ないから違ってたらごめんなさい。ここ良かった。選曲が秀逸だと思う。

バスでのリハーサルシーン良いね〜。
ワクワクするし空とバスの構図が可愛らしく、また美しかった。特に夜。

ビリー・アイリッシュ「bad guy」
やっぱり知ってる曲が出ると嬉しいんやけど、ここは曲に映画が合わせに行ってる感があったかな。までもリズムに合ってて楽しかったし、そーゆー組み立て方も制作段階から楽しそうで作品によってはアリかもしれない。

クリスタル・タワー・ホテルの内装デザインがとても好き。ゴージャスで夢がある。

楽曲の事は調べて行かなかったのでザ・ストラッツ「Could Have Been Me 」にはビックリした。めちゃんこ好きな曲で高校の時よく聴いていた。アイナ・ジ・エンドの声も凄く良く合っていて劇中で1番好きなシーンかも。終始鳥肌が立ったしショーの演出がひたすらに最高だった。

ポーシャの初登場シーンのインパクトが大きすぎて正直「主役ポーシャでええやん」と思ってしまった。キャラクターがキュートで何よりその歌声に芯から震える。ロジータも好きなキャラクターではあるが夢の舞台を前にした覚悟に疑問を持ってしまったし、緑のエイリアン役にあからさまに不機嫌な所が目立った。演出なのは分かるけどね。それに対してポーシャは素直にエイリアンを楽しんでいる。ここでまた良いのが別にエイリアンの衣装がポーシャに似合っている訳でもないのだ。しかし彼女からは喜びと楽しさが溢れ出るばかり。当然彼女に惹き込まれる。ポーシャとロジータには一つ明確な差が存在している。その良し悪しは分かんない。ごめんさい。

ポーシャも我儘で色々ダメな所はあるがショーマンとして、エンターテイナーとしての彼女に自分は夢中になった。

「いつでも来てよ、女王陛下」
アイスの店員イケメンすぎやろ〜!
まじでキュンキュンした〜。

夜間清掃員可愛い〜。
ショーでの演出も良かった。

用心棒の下り最高。この親子推せる。
前作のあのシーンには感動した。

グンター超良い。
なかなか自由な立ち回りをしているが唯一彼とポーシャだけが自分のしたい事、自分のパフォーマンスを理解していて本物の喜びを感じている。グンターなんて割とショーの中でシュールな立ち位置だが、こんなにも楽しそうにされるともはや笑いを通り越して真剣に感動してしまう。

ストリートダンスシーンは「SING」に必要かどうかは分からないが純粋にカッコよく、テンションを上げさせられた。

ミス・グローリーは相変わらず最高である。彼女のシーンはほとんど笑った。ただちょっとムーンの彼女に対する扱いが雑いかな。今思ったら今作でムーンあんまりなんもしてないような。終始振り回されてたイメージ。

アッシュの芯の通った姿勢には痺れたがあまり尺がなかったことに少し残念。そもそもクレイ・キャロウェイに関する一連が薄く思えた。だがしかしラスト稲葉さんの圧巻の歌声。頭の先まで鳥肌が立ち登り息が止まった。

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結構ゴタゴタ言ったが前提として何も考えないで良い作品だ。素直に楽しみ、素直に感動し、素直に笑う。これでいいのだ。お茶の間に家族で見て幸せになる。これがいいのだ。

前作について、正直中盤のホタルイカやっけ?とにかく光るイカと水槽を使った舞台が好きすぎて、あれが壊れたショックがヤバかったしラストも豪華な舞台で壮大にやって欲しかったという変な思いが残った。もちろんあのカタチもいいけどね。

そこを今作では全身全霊の豪華絢爛セットで思い切りやってくれて良かった。ほんでセットを作る人達にもフォーカスがあってホッコリ。あの人達が一番凄いまである。

ガツンとくる一本でした。
読んでくれてありがとう。

キャスト陣、特にアーティストのメンツ改めてヤバすぎ。神々のお祭り。

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「メジャーリーグじゃ通用しない」

「夢に挫折は付き物よ
 自分を信じて戦うしかない」

「さあ行きましょう
 失うものは何もない」

「魔法を見せに行こう」

「奥さんの影響を受けた曲があるって聞いた」
「全てだ。全てそうだ」
かっこいい。

「今を強く生きろ」

「もう行き先は一つしかない
 上に上がるだけ」

「いいわ、準備OK」
アイス店員に想像で塗り替えるシーン、何故か泣いたんよね〜。綺麗すぎる。

「終わらない旅を。いざ行こう」
友二朗

友二朗