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SING/シング:ネクストステージのSNGのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

SINGが面白かったので続編も面白いかなと思ってたんですが、とても面白かった!
地元で成功したムーンシアターの面々がエンターテイメントの聖地であるレッド・ショア・シティに挑戦していく話。
田舎じゃそこそこできるけど、本場じゃ通用しないわよって言われて「できらぁ!」って乗り込むムーンと仲間たち。
いつ見てもムーンの行動力、化け物並みだと思う。
クリスタルタワーシアターのジミー・クリスタルが主催するオーディションに何とか紛れ込んで、大ボラを並べ立てショーの契約を結ぶムーン。
妻を亡くしてから15年以上隠遁生活を送っている伝説のロックスター、クレイ・キャロウェイと知り合いで、彼を舞台に立たせることができるとか簡単に約束をしてしまう。
なーんも考えてなかったのに豚のグンターの夢みたいなSF舞台とかいう発案をどうにか具体化させて脚本考えたりキャスト考えたり舞台装置考えたり、難題は山積み。
キャスト陣も、やったことのないダンスを要求されたジョニーは世界的な振付師とかいう人と反りがあわずにダンスの完成度はクソクソ。
素敵な恋愛要素を表現してほしいとキャスティングされたミーナは初恋もまだだし、相手役はいけすかないチャラ男で全然役に乗り切ることができない。
主演として抜擢されたロジータは空乗りをしなきゃならないんだけどあまりの高さに高所恐怖症を発症してしまい、劇の進行が難航。そんな中、ジミー・クリスタルの愛娘であるポーシャ・クリスタルが、「あたしならできるわ!」と代わりに空乗りをして、是非この劇に出たいからと権力による主演交代劇が発生。俳優としては素人なんだけど社長の娘だから断れない……みたいなしんどい状況に、役を追われたロジータは悲しみながらも受け入れるしかなく、もうキャスト陣だけでも問題が山積み。
だけど舞台を完成に持っていくだけではなく、バスターは行方もわからない伝説的ロックスターのクレイ・キャロウェイ探しと出演交渉もしなきゃならないわけで、前半戦は完全に詰んでいる状態。本当にハッピーに終われるのか訝しいぐらいの状況のなか、ジョニーは街中でダンスの師匠を自分で見つけたり、ミーナはアイス売りの青年と出逢って初めての恋を知ったり、ポーシャとロジータは己の力量に見合ったキャストの席にドッタンバッタン揉めながらもおさまったりと、山のような問題がだんだんと上向きに片付いていってくれるので、後半戦は結構見ていて気持ちが良い。
こうあってほしいなと思う期待をちゃんと埋めていってくれるので、SINGの製作陣は安定しているなーと思う。
クレイ・キャロウェイ問題も、ムーンとアッシュで説得に行き、なんだかんだで出演を取り付け、成功に向かっていく矢印がちゃんと見えるので安心してみていられる。
最終的にジミー・クリスタルは自分の劇場でムーンの舞台を上演させないことを決め、自分に恥をかかせたムーンのことを殺そうとするんだけど、ジミーを出し抜いて一夜だけの公演をクリスタルタワーシアターでやっちまおう!ということで、お客さんを集めてジミー・クリスタルの追手を掻い潜りながら上演を開始する。
SING、前作も一夜限りの公演だった気がするので、なんか一夜限りがすきなんだな、この製作陣……と思いつつ、今回のショーもとても素晴らしい出来でとてもよかった。
ただ、前作のショーのほうがなんか圧倒的なエンタメ感があったなぁと個人的には感じました。なんかワクワクしてうぉー!!ってなる感じ、前作の方が強かった。
特に、どうにかして復活劇にこぎつけたクレイ・キャロウェイ。
奥さんとの死別を乗り越え、ショービズに復帰する、アッシュとのデュエットとなるバラードをとうとうと歌い上げ、それがこのショー、この映画の、一番盛り上がるところなんだろうなぁと思うんだけれど、彼は世界的ロックスターなわけで、バラードを歌い上げた後、そのままエンディングに向かうんじゃなくて、復帰したクレイ・キャロウェイ!ここにあり!!みたいなブチ上げ曲をバーンと一人で披露して欲しかったりもした。
観客が彼の作ったであろう曲を歌い、彼を導き、ステージに再び立つという演出もいいんだけど、クレイのカリスマ性をもうちょっと際立たせてくれてもよかったのでは……?とほんの少し不完全燃焼で終わってしまったので、評価は前回よりは少なめかなと思いました。
でも今作もとても面白かったのは確か。
そこかしこの楽曲の使い方がとっても素晴らしく、見てて本当に元気になる。
ボノがクレイ・キャロウェイやってるっていうんで字幕で見たんだけど、吹き替えは稲葉さんらしいので吹き替えも見てみようと思います。
二作目もいい映画だったなぁ……
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