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逃げ去る恋のnuのレビュー・感想・評価

逃げ去る恋(1978年製作の映画)
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シリーズを完結する作品としてはやや怠惰な感じが拭えない。それでもアントワーヌの最後の旅路を見守る価値はあるだろう。女性に焦点が当たっていることが救いで、一定の深みをもたらしている。相手に自分の全てを与えることができずに逃げ去ることを繰り返す人生。一時的な快楽を追い求めることは否定的に描かれやすいが、この映画は軽さを最後まで保ち続ける。アントワーヌ、そして彼に関わる人びとが絶望しながら生きることは決してない。怠惰だと言ったが、私の好きな場面と重ねるようにして撮った最後はきっと記憶に残るだろう。トリュフォーの選んだ最後は美しかった。
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