daruma

サラバ静寂のdarumaのレビュー・感想・評価

サラバ静寂(2017年製作の映画)
4.5
吉村界人くんに惹かれて。以前から観たかった主演作、想像以上に良すぎた…!!掴みの斎藤工さんでもうウハウハ(悪いほうの工さん笑)、若葉竜也くんも出てたのか!開始速攻タイトルの意味も分かる。世界観にハマれる人なら絶対好きだと思います(評価低い意味は解る、苦笑)。音楽好きにおすすめ。

とにかく斎藤工さんが凄かった…
絶対楽しんでやってるでしょ!!!
(この発言既視感あるわ…グッバイ・クルエル・ワールド!)
もう吹きそうになりまくってた、私が(笑)
個人的に彼は監督とかプロデューサーとかやってるという前提があって観ているので、この振り切れ方がめっちゃくちゃわかります!!

若葉竜也くんが正反対のめっちゃピュアな役…
彼は悪い奴と善い人の振り幅が凄い。
吉村くんとのシーンがもう、ずっと見ていたいくらい素敵だった。

吉村くんとSUMIREさん以外知らずに観たので、この二人のキャスティングが大歓喜!!

あと、カトウシンスケさんがチョイ役で出てた!
もう完璧に顔を覚えた(笑)

で、肝心の吉村界人くん。
めっっっちゃ良かったです…!さすが主演。
私は「わにとかげぎす」というドラマで彼を好きになったのですが、なんていうか、おそらく彼のフィルモグラフィの中ではわりと異端な、すっごく普通の役なんですよね(いや、今結末見直したら普通ではないかもだったが…)。チャラいとかヤンキーとかじゃなくて、見た目がフツーの青年役。メガネかけてて、どちらかというとオタク系だったような…それがめっちゃくちゃハマってて、好きになりました。

で、本作は割とそっち系のキャラクターから始まって、いわゆる強めのビジュアルまで行くんですが、グラデーションが楽しめて最高だった。
影響される側と影響する側、どっちの役も行ける役者さんだと思います。
表情もとても好き。

ストーリーがまた個人的に絶妙すぎて…
「エンタメが禁止されて30年後(だったかな?)の未来」が舞台、というだけで、もう何かわかるかと思います。
私は戦時中の言論統制を連想したのですが、何となくそれっぽいシーンが出てきます…(従事している内容の)意味を考えちゃいけない、とか。
ルール(法)を盾にやりたい放題やっている彼が、「駐車禁止」の立て札の前に車を停めているシーンに爆笑(絶対意図的!)
どっちもめっちゃ現代を風刺してる。

あと、あるキャラの名前が「三島」(これも絶対意図的!)
ちなみに三島を演じてた方は森本のぶさんという方だったんですが、この方も結構無意識で観てる方だった…!直近でもいっぱい観てた(百円の恋、ケイコ目を澄ませてなど)万引き家族やすばらしき世界にも出られていて、凄い経歴…役名は無いものが多いのですが、お顔を覚えたら、気になって探してしまいそう。

これ、「異物」の宇賀那健一監督だったかな…?と思ったんですが(だいぶ前に確認したような気がするけど直前には見てなかった)、当たってました。実は「異物」も2022ベストに入れるか凄く迷うくらい好きなんですが、結構、思想系なんですよね(物凄くそれっぽい台詞が1カ所だけあって、そこでガツンとやられた)。私は好きなのですが、そういう意味では人を選ぶかもしれません。

宇賀那監督は「転がるビー玉」を最初に観たので、私が観た感覚としては、どんどん強めになってる…逆に言うと「転がるビー玉」は割と一般受けしそうな感じに薄めてたんだな、と思いました。

本作は監督をはっきり認識しないまま観たので、戦時中を連想したあたりから「もしかしてすっごく年上の監督さんなのか…?」と思いましたが、お若い方でなんか安心した。まだ30代。こういうのを作るこれくらいの年齢の方が居ると、ホッとする。

エンドロール見てたら、音楽界隈の方がずらり!
私はオフィスオーガスタのファンなんですが(最近はもうあまり追っかけていませんが)、忘れらんねえよが入ってました!(どこに居た!?)
あと、最近のトレンドだと羊文学とか。(17才の帝国)
ほんと、音楽映画だったんだ…!と思った。
個人的にそういう所も好き。

思わず満点にしようかと思いましたが、後半少しダレたので4.5で。

余談)あの場所を指し示す言葉がまるでドラクエのようで、そこもウケた(笑。東のはずれの…みたいな?)
感想サラッと読んだけど、私は杉村は権力者でそれ以上でも以下でもないと思った…(そういう意味のデフォルメキャラ)
daruma

daruma