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サスペリアのバロウズのレビュー・感想・評価

サスペリア(2018年製作の映画)
3.7
先に言っとくとこれはダリオアルジェント監督「サスペリア」のリメイクではありません。サスペリアを原案にした全く別の何かという印象。

どちらかというとアート系映画みたいな感じで、シーンのワンショットワンショットが凝ってるし何気ない場面にも美しさを感じる。そこは「君の名前で僕を呼んで」のルカグァダニーノ監督らしいと思った。
序盤の見せ場でもあるダンスに連動した残酷シーンは見応えあり。
オリジナルではバレエでしたが今作はピナバウシュっぽいダンス(コンテンポラリーダンスっていうのかな?)。ダコタジョンソンの力強いダンスには見入ってしまったし、終盤のダンスシーンは圧倒されました。
一人三役(言われなきゃ絶対気づかない)を演じたティルダスウィントンの妖しい魅力もGood。

ただ150分というホラー映画にしては長丁場だし、やや中弛みするので人によっては眠くなってしまうかも。
ベルリン分断やドイツ赤軍、ナチのホロコースト話も入ってきて、なんかジャンル変わってない?と思いましたが、ルカ監督が本当に描きたかったのはこの辺の話なのかな。
クライマックスの大殺戮スプラッターシーンは赤い照明やカメラのブレが重なり残酷描写や血しぶきが見えづらく、もっとちゃんと見せてほしかったなあ(レイティングを下げるためなんだろうけど)

サスペリアのリメイクを期待すると肩透かしを食らうかと思いますが、映像美を堪能できるアート系ホラー映画としてはなかなか。一度見ただけでは分からなかった部分も多いので、DVDが出たら何度かリピートしたい作品。
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