“無限の希望”は空を飛ぶ
【演者ありき映画】
✍️質素なうどんうまそうだな、おい
🟦「凶悪」などでおなじみの白石和彌監督が、沼田まほかる氏の同名小説を映画化。ダイナミックな官能シーンやドロドロの人間模様が目立つシナリオを、おなじみ白石ワールドが高らかに乗りこなしておりました。
🟫この映画はなんといっても役者の演技がすこぶる魅力だっています。
十和子:
過去へ翳りを匂わせる十和子の暴虐無尽さと、その裏側で燻る自己呵責・衰弱を蒼井優氏が見事に演じています。
陣治:
個人的にはこちらを推したい阿部サダヲ。正直に言ってこの映画の全ては、陣治の独白へ至るまでの壮大な前フリといっても過言ではない。蒼井優氏の十和子ほど複雑な役ではないけれど、阿部サダヲ自身の厚みがキャラクターの中へ心地よく落とし込まれておりました。
この2人の素晴らしい演技なくして、本映画のカタルシスは成り立たなかったでしょう。本当に素晴らしい役者方々です。
🟨…と、役者の凄みに圧倒されたものの、作品として総合的に観るとイマイチでした。
ちょっと全体的に説明っぽくなってるのが惜しいです。特に後半に迫るにつれて、どんどんその説明っぽさが増して、鬱陶しい印象でした。もっと短くできたらなぁ…
【あれはムクドリだよなまとめ】
🕊ラストの陣治の選択は、私ちょっとよく分からない。あれはみなさん感動されるところなのでしょうか…、たしかに彼の不器用さを感じさせる選択ではあるのですが、十和子をさらに傷つけるだけでは?と私は思うのです。
⬛️思えば最近、こういう邦画を食わず嫌いしていた気がします。また重い腰を上げて観ていかねばなりませんね。
では、おやすみなさい