映画好きなねこ

彼女がその名を知らない鳥たちの映画好きなねこのレビュー・感想・評価

4.0
共感度0の感動ラブストーリー。
共感度0なのに感動ってどういう事?って思ったけどラスト泣いてしまった。
蒼井優演じる十和子は阿部サダヲ演じる陣治と同居しているが自分を溺愛しているが故の心配性っぷりと不潔、下品な雰囲気が気に入らず鬱陶しく思っている。過去付き合っていた黒崎(竹野内豊)とのキラキラした毎日を思い出しながら浸る日々。別れてから黒崎とは全く連絡を取っていないがいつか黒崎と再会できれば…と夢を抱いている。そんな完全に気持ちが離れている十和子に尽くす陣治、仕事から疲れて帰って来たのにニートの十和子の為に食事を作り、マッサージをしてあげ、お小遣いをあげる。十和子が笑ってくれればそれでいいと無表情な十和子に語りかける。本当に異様な関係。確かに陣治は顔も真っ黒で服も汚れ、食事中咳込みこぼしたり奥歯が抜けてたり靴下が臭かったり…決して清潔イケメンとは言えないけどとにかく優しい。十和子は常にぶすっとしていて店にクレームをつけながら鬱憤をはらす日々を送り、常に黒崎の面影を追っている。可愛いけど幸せとは程遠い女性。
そんな十和子がクレームをつけていた時計店で水島(松坂桃李)という男と出会う。水島に黒崎を重ね好きになってしまう十和子。水島との不倫生活が始まる…。

とにかく蒼井優と阿部サダヲが哀れすぎて…。本当に不愉快なんだけど、ラスト、あんなに綺麗な終わり方あるかな?こんなに素敵な愛情があるかな?って思う程素晴らしかった。十和子の最後の言葉も凄く印象的。愛に溢れた映画だった。
ただ松坂桃李との絡みシーンはちょっと気持ち悪くて直視出来なかった。(そもそもそういうシーンが苦手)でも彼の言葉もプレゼントも全て薄っぺらい嘘っぱちっていうのは惨めでこの作品の良いエッセンスになっていたと思う。
調べたら原作のシーンいくつか省略、改変しているみたいで、原作も読んでみたいなと思った。