鮃サブロウ太

彼女がその名を知らない鳥たちの鮃サブロウ太のレビュー・感想・評価

4.3
この気色の悪い1㎜も共感できない話をラスト10分で浄化してしまう、そこへ繋げてゆく俳優陣の演技力に脱帽。
特にこれまで今ひとつよさがわからなかった阿部サダヲの演技を初めてうまいと思った。
松坂桃李も「新聞記者」でみせた似非インテリの苦悩より本作のような繊細な仮面を被ったクソ男のほうに役者としての本領というか、他の人には出せない味があるのではないだろうか。
関西弁のセリフも実に効果的で、ザラザラとした物語の質感を巧みに捉えている。