nyasuke33

いつまた、君と 何日君再来(ホーリージュンザイライ)のnyasuke33のレビュー・感想・評価

3.0
原作は俳優向井理の祖母の手記。祖父を演じるのが向井自身とのことで、少し遠慮がちな、表面的な感じである。戦中戦後を苦労して生きてきたはずなのに、全体的にきれいだ。一方、祖母の方はリアリティのある役作りである。

祖母の半生記なので、どうしても彼女自身が中心となっているが、これが祖父中心の物語だったら作風はガラッと変わるだろう。途中の台詞にもあるように、少年時代は辛酸をなめ、青年時代は社会主義に憧れる時期もあり、戦後も妻の実家でまた苦労し、起業するが失敗続き…。なんと波乱万丈な人生なのだろう。原作を超えることはできない事情があるのは残念。

ところで、最初の方で孫が、自分が入力を手伝うことを宣言した後で、少し変えてもいいよね、といった意味の台詞を言う。これは面白いなと思った。つまり、企画する向井理自身の言葉なのだから。

母と娘の長年のしこりが解消されたところはジーンときた。
nyasuke33

nyasuke33