コロン

バトル・オブ・ザ・セクシーズのコロンのレビュー・感想・評価

3.9
スポーツの枠を超越した社会派ドキュメンタリー。1970年代にこんなテニスマッチがあったとは、全く知らなかった。男女の不平等に断固抗議して、女子テニス協会を立ち上げたキング夫人の行動力と意思の強さには頭が下がる。何事にも偉大な先駆者が不可欠ということか。今年の全米オープン シングルスの優勝賞金が男女共に380万ドルだと知ったら、キング夫人もきっと仰天するに違いない。当時の社会観や空気感、ファッションを忠実に再現した制作陣の手腕に脱帽。エマはキング夫人の内面までも繊細に演じていたし、スティーヴは根っからのエンターテイナーであるボビーになりきっており、とても感情移入し易かった。フォアもバックもスライスを多用し、チャンスがあれば、すぐにネットに詰めてボレーで決める、というテニススタイルは現代とはかなり違っていて、非常に興味深かった。
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