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この子を残してのtheocatsのレビュー・感想・評価

この子を残して(1983年製作の映画)
3.8
まずはパッケージがモノクロ写真なのでカラー映像だったことに目を瞠らされる。

昭和20年8月9日長崎原爆投下前後の市民の有様を描いたドラマ。

もうこれはただただ沈痛な面持ちで映像を目で追うのみ。

原爆投下後の惨劇をエンド間際に集約させた構成が興味深く思われたが、CGなどない当時としては最大限の努力が伺え、大火災の中酷いやけどを負いながら逃げ惑う市民の姿には痛々しさを感じながらも、実際の惨状はその10倍も酷かったに違いないとも思わされた。

原作者であり、映画の主役でもある医師や被災者の多くがカトリック信者だったということが、独特のテイストを醸していたことも印象深い。

まだ見ぬ長崎の地をいつか訪れ、原爆被災の跡地を辿ってみたい。
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