記録。
英国王の興亡を描いたシェイクスピア歴史劇。
ベン・ウィショーが演じたリチャード二世は、神々しく美しい。
しかし、理想主義でわがまま、繊細でありながら残酷、国王としての在り方と苦悩ゆえ、孤独に苛まれる。
狂気じみた王冠への執着と、聖セバスチャンへの憧れ…
譲位のシーンは、潤んだ眼差しで魂の台詞を全身で吐き出す圧巻の演技。
ロリー・キニアが演じる王位簒奪者、ボリングブルック。リチャードとは対照的で、王冠よりも権利の回復を認めて欲しかった。祖国イギリスを愛し、リチャードへの敬意は最後まで失わない。王冠を奪い取った後の心の葛藤を見事に演じている。
ただ、年を重ねたらジェレミー・アイアンズ(ヘンリー四世)になるのか?と、考えるとちょっと…(野暮ですみません)
名優の共演揃いで、時々再鑑賞しては、しばらくの間は心奪われるシリーズ。