継

劇場版 嘆きの王冠~ホロウ・クラウン~/ヘンリー四世 PART1の継のレビュー・感想・評価

3.5
『嘆きの王冠』シリーズの二作目。
『ヘンリー四世』はレンタルだと、この第一部と第二部に分かれて別々になっています。

この四世が、先のリチャード二世(ベン・ウィショー)を王座から引きずり下ろして王冠を得たわけですが、
本作と第二部は、四世よりは実質的にハル皇太子(トム・ヒドルストン)とその悪友フォルスタッフを軸に据えてストーリーが展開します。
なので、トム目当てならこの一、二部と次の「ヘンリー五世」が要チェックですね(^-^)。

王の教えに耳を貸さず、ワインレッドのジャケットの襟を颯爽と立てて悪友と遊び歩く、放蕩息子呼ばわりされる不良王子、ハル。

物語が進むにつれて凛とした王子へ、やがてはヘンリー五世として王冠を戴(いただ)くわけですけど、ここのトムはまだモラトリアムというか、“オレまだ本気出してないだけ” と呟(つぶや)いては放蕩三昧。
然(しか)るべきタイミングで立ち振る舞いをガラッと変える難しい人物像を、トムがどう演じるかが見所になっていきます。
そういう意味で、前作のベン・ウィショーを始め、このシリーズはキャスティングがピタリとはまった印象を受けますね(^-^)。

そんなハルを悪の道へ引きずり込もうとする家臣・フォルスタッフは、シェイクスピアが作り出した完全に架空のキャラクター。
後に主人公として戯作が作られるほど人気があるんですが、大酒呑みで、女の尻を叩き、小便を垂れ、戦いを避けて市原悦子さんばりに(追悼。希林さんと仲良く\(^-^)) 木陰から戦況を隠れ見る憎々(肉肉も可)しさ🐷。

確かに酒場で思いがけず洩らす本音や、戦地で吐露する真理を突いた台詞は誰よりも人間味に溢れていて、いかにもイギリス人が好きそうなカンジではあります。
第二部で身なりが良くなってるのにはムカつきましたけども(笑)

因みに、
オーソン・ウェルズも自身作で『フォルスタッフ('65)』を演っていて、それに比べるとコッチはまだキレイ(笑)。
アッチはモノクロだから?って思うけどそうじゃなくて、何か凄みのあるゆるキャラ(笑)というか、得体の知れない毒々しさを感じます。
比べて観るのも面白いかもしれません(^-^)
継