石口

テオレマの石口のネタバレレビュー・内容・結末

テオレマ(1968年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

パゾリーニ作品はどれもラストが良いのだが、とりわけ本作のラストの衝撃は比類ない。

難しいことはよく分からないが、パゾリーニが理想と考えていた共産主義の実現を示唆する物語なのだとは思う。ただ彼の映画に魅力を感じるのは、その思想を表現する手段がぶっ飛んでいるところだ。全裸で絶叫しながら走る場面でエンドというのは常人にはなかなか浮かばない。おそらく冒頭のインタビュー場面で言葉として語られていることをラストでは映像イメージとして見せているのだろうが、この構成といい、映像それ自体のインパクトといい、あまりにかっこよすぎる。

訳の分からない絵を描き始める息子も良かった。ガラスに描いた複数の絵を重ねるという発想が面白い。メイドの女が、斑点みたいなのがたくさんある男の子の顔を一瞬で治す場面は、「奇跡の丘」で同じような演出があったがここもやっぱり印象に残る。
石口

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