不思議な魅力の作品。
冒頭のブルジョアジーがどうのこうのあったと思ったら一変してセピア色で会話はしてるが音声が無い無声映画の様。
そこへ謎めいた彼がブルジョアジーな一家の元へ居候になると声も色も付き出した。
メイドも含め彼ら一家の欲望を叶えながら充実した日々を生活していると一通の手紙が。
突然の別れで一家の精神状態は急激に不安定に。あるものは精神病院へ、ある者は喪失感を絵にしようと創作活動、ある者は肉欲へ走り、ある者は着るものや肩書き全てを捨ててオープニングの草木も生えぬ丘隆へ。
1番謎なのは飲食を断ち神の様な存在に。
画面は美しいがどことなく薄寒く寂しげて荒涼感漂う絵面。哲学的な台詞にゆったりしたBGMで眠気を誘うが時折りハッとする展開が強烈なインパクトを残す。
終わり方もカッコ良くカルト映画っぽくて悪くない読後感。