アズマロルヴァケル

ザ・レイジ 果てしなき怒りのアズマロルヴァケルのレビュー・感想・評価

3.6
「シネ・エスパニョーラ2017」上映作品。

スペインの素晴らしいノワール映画

足を洗いたかった裏社会の男トロはボスのロマノに別れを告げるものの、最後の仕事でロマノの手下によって長兄が死んでしまう。5年後、出所間近のトロに次兄から娘をさらわれたと言って娘を取り戻すものの、長兄の嫁の口からロマノの手下によって長兄が死んだことを知り、復讐に走るというのがこの映画の内容。

ノワール映画で、暴力的なシーンの連続かと思いきやなかなかドラマ部分が多く、バイオレンス描写はどぎついところはあったもののちょっと少ない程度で、強いて言えばグロ描写は耐えれそうなほう。

で、主人公のトロはまあ活躍しますが、何よりも次兄ロペスとその娘の話が映画の大半を占めており、復讐の話よりかはロペスの娘がお母さんに逢わせるための話のほうが見応えがあって
だんだんそっちに気が入りそうな気はしましたね。

ハッキリ言ってロマノの手下が少なく小規模という点やスペインの刑務所事情(トロは恋人と半同棲しつつ、刑務所で生活している。)には驚かされましたが、スペイン映画としてはまあ普通に良く、後味も悪くない味わいでした。

まあロマノがまさかタロット占いの運命には逃れられなかったというのがこの映画の一番の特徴ですが、ほんとにラストは皮肉という二文字に尽きます。