おさつ

羊と鋼の森のおさつのレビュー・感想・評価

羊と鋼の森(2018年製作の映画)
4.5
これは、かなりかなり好みでした。

自分自身、子供の頃からピアノを弾いていると山や高原に行った時の景色が浮かぶことが多かった。
また、そんな景色や空気を思い浮かべながら弾くことが多かった。
(もちろん曲にも寄るのだけれど)

それくらい、ピアノの音色が持つ力というか、与えられる空気というのは自分にとっては偉大なもの。

ピアノを羊と鋼が織りなす森に例えているのが素晴らしかった。

最近シューマンの森の情景をよく聴いているからより響いた。

静まりかえる中に響く一音、これだけでも胸に刺さる。
登場人物たちが無言ながらも想いを交わし合うシーンが多く、役者って本当にすごいとつくづく感じさせられる。

上白石姉妹が本当にピアノを弾いているというのも衝撃。
元々音楽に精通している姉妹とはいえ、クランクインの5ヶ月前から本格的にレッスンを始めて、あんな大曲を部分的とはいえ何曲も弾けるなんて尋常じゃない。

ピアノの音色の繊細さ、奥深さに満ち満ちた作品で素晴らしかったです。
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