Colette

海へのオデッセイ ジャック・クストー物語のColetteのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

崖っぷちから更に下を覗くと…悠々と泳ぐマンタの群れが見え、
色とりどりの魚が舞う、暗い海中に射し込む一筋の光に向かって幻想的な空間を泳ぐ…
そんなスキューバダイビングが家族みんなで出来るなんて素敵!

幾つもの海のシーンは確かに海洋ドキュメンタリーのようで美しく、ダイナミック。
“空中を飛ぶ”ように海中に浮かぶ…包まれるような感覚を想像させてくれる。

癖のある役もこなす、ランベール・ウィルソンがワイルドで我が道をいくが温かい父を演じていて魅力的…こういった役が似合う。

ピエール・ニエは持ち前のような繊細な雰囲気が、美しいものを探求しつつ、どこか充たされないままさ迷う、幼い頃からの無鉄砲さを体現している。

“探険し感動を分かち合う”という理想を追う序盤から始まり、徐々に中盤では夢を追ううちに大きくなった組織を維持するための現実の金策と理想の舵取りが難しくなっていく。
…だが、終盤では「海は広いから破壊されないという考えは根本的に間違っている」と説き、環境保護を掲げていく…これは正に今も問われている問題として新たに意識させられた。

「悲しいことがあったら、人間はただの塵だと思え…星のかけらにすぎない。はかない存在なんだ…宇宙にすれば一瞬の命だ。精一杯、生きろ…悔いのないよう。生に勝るものはない」
…この言葉も今、心に留めておきたい。
Colette

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