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命のビザのるのレビュー・感想・評価

命のビザ(1992年製作の映画)
3.4
唐沢寿明主演の『杉原千畝』を以前鑑賞し、さらに知りたくなって、こちらも鑑賞。

原作は、奥様である杉原幸子さん。

ビザ発行について詳しく描かれていた『杉原千畝』に対し、こちらは家族や帰国後の生活について等、女性視点の内容が多く、杉原千畝をまた違った視点で知れる。

戦争の経緯やビザ発行までの政府対応について、説明ナレーションや実際の映像があるドキュメンタリー映画で、わかりやすい。
その反面、エンタメ性は少なく、映像は安っぽい…。

幸子さんがドイツ軍と共に過ごすことになり、爆撃を受け、さらには幸子さんを守った将兵が命を落としてしまうことに…。
外交官の奥様がこんな経験をされてたなんてビックリ!

日本に帰還してからは、奥様の実家沼津での生活。
命を救ったユダヤ人がイスラエル共和国を建国した頃、白血病で息子さんを、義妹さんも亡くなるという悲しみも。

センポスギハラを探し続けたユダヤ人の方との28年ぶりの再会は、想いが溢れて…感動!
そして、ユダヤ人の方に息子のヘブライ大学留学を熱望され、
病床の晩年、イスラエルで「ヤドバシム (正義の人賞)」を受賞したことを息子からの手紙により知る。

外交官としてではなく、
「人」として素晴らしい決断をされた方だとしみじみ実感。


走り出づる
列車の窓に縋りくる
手に渡さるる命のビザは
る