てれ

メアリーの総てのてれのレビュー・感想・評価

メアリーの総て(2017年製作の映画)
3.7
「フランケンシュタイン」がどのようにして書かれたか。私はちゃんと読んだことないが、メアリー・シェリーという当時18歳の女性が書いていたことをこの映画で初めて知って衝撃的だった。

前半での16歳のメアリーはまだ大人になりきらない少女の頃で、愛らしくも危うげ。そして詩人の青年パーシーとの愛に溺れて浅はかな行動に走った結果、彼女を待っていたのは放蕩と裏切りの日々。彼女を取り囲む孤独と静けさがただ刻々と映し出されて、これでもかというくらい絶望的だった。
夫のパーシーの軽薄さたるや、典型的なモラ夫と言うべきか。登場シーンから胡散臭げで、そういう雰囲気を出してくる俳優さんの方をスゲェなって思った。

暗い内容だが、映像美として確立していたのが素晴らしかった。鬱々とした色がデカダンスとして視覚に残る。それに加えて、イギリスやスコットランドの風景は目の醒めるような大地の壮大さと広い空の色が特徴的。

「マレフィセント」や「ネオン・デーモン」のエル・ファニングは本当に妖精みたい。メアリーを演じている時の彼女の哀しげな眼差しには引き込まれる。
「ボヘミアンラプソディ」で見たベン・ハーディはこちらでは不憫な役どころだった。
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