このレビューはネタバレを含みます
【男性が創り出した怪物?】
見た夢を元に書いたと子供の頃知った時は、すごい夢を見る女性だなぁと思ったものです。
こういう背景があるとは知りませんでした。
男性に弄ばれ、捨てられ、得られぬ愛を求めて「怪物」となった女性がモデルとは。
「自由恋愛」という名のもとに、世間の批判を浴びながら、19世紀にヒッピー的?暮らしをしていた彼ら。
現代でも彼らの生活スタイルには疑問符がつくかと思いますので、良く言えばとても先進的な考え方ではありますが、責任という一定の制限を伴う自由ではないため、刺激的な生活にはすぐに暗雲が漂い始めます。
実際の所、特にClaireはかなりしつこくByronを追いかけたようなので、男性の奔放さだけを責めるべきではない気もします。
退廃的な集団に潜むバンパイアによって産み出されるフランケンシュタイン(が造った怪物)。
台詞は美しいのですが、当然読書向けの文章や詩のためじっくり味わう時間がなく、たとえ名著であっても、名曲とは違い、涙が出るほどの感動を得るのは難しかったです。
Percyがなんだかんだ良い旦那さんで何より。
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事実はもっとメロドラマ?
HoggはPercyの最初の妻Harrietに言い寄ったが、Harrietに拒絶され、その後夫婦は彼を遠ざけた。
MaryはPercyの子を妊娠するまでHoggとの自由恋愛に前向きで、Percyも賛成だった。PercyはClaireと外出することが多く、最初の子供が死亡した後、MaryはHoggを頼っている。
Percyと共に水難事故で亡くなった男性の内縁の妻Janeが、新たにHoggと内縁関係になった当初、未亡人になったMaryは嫉妬していた。
Claireはあの辛辣な母親の婚外子。母親のえこひいきにより、Claireの方がMaryよりも高い教育を受けられた。もう1人、Maryの実母の連れ子である姉Fannyも婚外子。Percyは当初Fannyと恋仲だったが、父親に反対されFannyは遠くへやられてしまう。Fanny不在中にMaryらは家出。その後Fannyは彼らとの同居を懇願するも拒絶され、Harriet自殺の2ヶ月前に自殺。
Claireが産んだByronとの娘は5歳で死亡、Percyとの子供(Claireでなくメイド説、養子説あり)も死亡。
Harrietは金目的でPercyと結婚。教養のないHarrietにPercyが愛想を尽かした。Harrietは、Percyとの関係よりも、当時の愛人に振られたと信じ込んで自殺したよう。その後Percyと結婚したMaryは、Harrietが遺した2人の子供を引き取るつもりだったが、Percyが無神論者であるため叶わなかった。
…などなど。
皆さん自由奔放で入り乱れています😅
この時代は手紙が残っている限り、やり取りが詳細に分かりますね。
とりあえず、本作がMaryの「総て」でないことは間違いなさそうです。