ナミモト

メアリーの総てのナミモトのレビュー・感想・評価

メアリーの総て(2017年製作の映画)
4.0
小説『フランケンシュタイン』を書いたメアリー•シュリーの物語。

エル・ファニングが主役。『哀れなるものたち』と対でみることがおすすめです。人造人間フランケンシュタインの作者が、フランケンシュタインにこめた悲しみ、フランケンシュタインの感じる痛み…。

自由主義者の父親と、フェミニスムの母親との間に生まれたメアリー。
父親が自由恋愛主義で、その父親の思想に影響受けた詩人パーシー・ビッシュ・シュリーとの出会い。
10代の女性が怪奇小説を書くことが社会的に認められることの困難さ。初版は、匿名での出版で、かつ詩人である旦那の序文(旦那は名前を公表したのに)を載せる事が条件。
ガラスの天井以上に、女性が意思をもって発言することすら「そんなことあり得ない」と世間から思われていた時代。
表現を通して抵抗する女性の物語として高く評価できる作品と思います。
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