Yuri

メアリーの総てのYuriのレビュー・感想・評価

メアリーの総て(2017年製作の映画)
3.5
「フランケンシュタイン」の作者、18歳のメアリー・シェリーの物語です。メアリーは芸術一家に生まれ、メアリーの他にも当時著名だった詩人や「吸血鬼」の著者ジョン・ポリドリ(ベン・ハーディ)など、芸術家がわんさか出てきます。19世紀イギリスの舞台や衣装もそうですが、私は伝記が好きなのだなぁと改めて気付かされました(*´∇`*) メアリーともう一人、義妹のクレア(ベル・パウリー)が愛と自由と権利を求め、勇敢に突き進む物語でもあり、この二人の関係性も、メアリーとパーシーの関係性も、罵り合ってもおかしくない筈なのに、苦しみの中でも手を離さず、互いを認め合っているのが、不思議で胸が熱くなりました。クレアは凡人ですが、人間の弱さとしぶとさの象徴であり、互いに傷つけ合っていた父やパーシーたちも、芸術と才能の前では正直で真摯であることが分かるシーンでは、これまでの淀みが洗い流されていくようでした。一瞬の花火のような芸術家たちの輝きに、人生の幸福と才能は両立しないのかなぁと悲しくもなりましたが・・・。エル・ファニングは、S・コッポラの申し子だと感じる場面 が多く、無垢で高潔で危うく、女性の総てが備わっており、クルクル変わる表情に魅了されます(*^^*) 歴史に残るような人物のストーリーにはいつも、困難を切り開いていく生き様があり、自分の糧になる力を貰える作品です。
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