グルポル

メアリーの総てのグルポルのレビュー・感想・評価

メアリーの総て(2017年製作の映画)
4.0
まず皆さん、メアリー・シェリー著作「フランケンシュタイン」をご存じでしょうか?読んだことがない方、拝読してから鑑賞されることをお勧めします。速読できる方であれば2,3日で読み終えれるものでしょう。彼女の人生がどのように投影されているのかを感じながら作品を観れたほうが何倍も楽しめるかと思います。

大抵一人の人の人生を2時間ばかりの映像で伝えることなど不可能だと思っていましたが、想像以上に簡潔に的終えた内容として完結されていました。彼女の人生を知っていたわけではないのでいくつか編集上割愛されていた部分もあるかもしれませんが初めて彼女の人生を知る分にはとても奥の深い作品となっていました。

幾度となく彼女に 想像を絶する 不幸が舞い起こる人生は本当に「フランケンシュタイン」その物でした。18歳にしてあの信念。到底まねできるものではありません。ダメな夫、叶わぬ夢、子を亡くす失望、この不幸の故あの傑作が誕生したのですが、そんなことつゆ知らず、ただのダークファンタジーだとばかり思っていました。どんな小説にも作者の人生が投影されていてそれが世に傑作として誕生しているのでしょう。太宰治の「人間失格」もそのうちの一つですね。人の人生というものは素晴らしく価値のあるもので夢物語には勝てない。”人生は小説よりも奇なり”…今作品で本当にそう感じました。どの作品にもこのような思いが込められていると思うともっと今作品のような作者のドラマ作品を鑑賞したいと思いました。
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